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専攻ロンダリングについて

理系は概して就職に強い、と言われるのですが実のところ専門によって歴とした差があります。

就職四季報オンラインから↓

不況下でも企業の研究開発や生産技術の高度化のため、企業の理工系学生・大学院生の採用意欲は、ほかの学生の採用に比べて旺盛だ。
(中略)
理工系採用では重点的に採用したい学科の変化も注目される。電気・電子系や機械の人気は変わらないが、化学・薬学系が新たにクローズアップされている。電気自動車や家電の有機素材の利用などが脚光を浴びているためだ。見落とせないのは、「物理・数理系」への関心だ。これは、機械・航空・宇宙・情報・新素材開発などに必要な基礎学力と応用力を期待されてのことだろう。
先行き不透明で採用も混迷――どうなる? 就職戦線2011(5)

リンク先によれば、同じ理系でも積極的に採用したいのは『電気・電子・情報系』『機械系』で全体の67%に昇ります。これは良く分かる話で、どんなメーカーでも製品の生産には設備(機械的なもの)が必要なわけです。
それ以外であれば『化学・薬学系』などはわりあい需要があるようですが、『生物・バイオ系』に至ってはわずか2%でしかありません。

バイオ系の悲惨さはこのあたりに詳しく、既にネット上では語りつくされた感があるので割愛しますが、需要が少ないというのはいかんともしがたいですね。
そんな僕の「現在の」専攻はバイオ系だったりします。

専攻ロンダも悪くない

今でこそバイオの人(いきものがかり)なわけですが、以前は化学系や材料系のお勉強をしていた僕は↓のような感じでコロコロ専攻を替えています。

A高専(材料) → B高専専攻科(化学) → C大学院(バイオ)

転々としていた理由は色々あり、ケンカ別れに近いところがあったりするなど、中途半端の極みではあります。しかし悪いことばかりではないぜ、ということを以下に書いていきます↓

その1:浅く広い知識が手に入る

やることをコロコロ変えると深い専門性は身に付きません。これは当然。でも逆に浅い知識は無理矢理にでも入ってくるわけですね。就職にあたって必要なのは深い専門知識でしょうか?必ずしもそうではないでしょう。

その2:程よい負荷がかかる

自分で研究室を探して、教授とコンタクトをとったり、外部から入試の情報を仕入れるのは面倒です。でも後で振り返ってみると大したことでは無いですし、怠惰な人間からすると勉強し直すいい機会になります。同じところにずっといると腐りそうになりませんか?僕だけ?
まあ、いずれにせよ目先が変わるのは良い事だと思います。

逆にダメなところは年数を要する割に、専門性が身につかないところでしょうね。ある意味、就職を先延ばしにしてきた面は否めません。

なぜ僕が今まで就職しなかったか

高専という看板さえあれば、さほど苦労せず就職できたことは間違いないですが、果たしてそれでいいのか?と良く考えていました。学校に守られたまま、社会に出ていいのかと不安になったり。
しかし一方、矛盾するようですが得体の知れない自信のようなものも持っていました。つまり「高専でとんがったコトをやってきた俺が大学の奴らに負けるわけないバイ」と思っていたわけです。ゆえに、同じ土俵でも負けない、と(教官はやたらと『高専生は優秀』と言うし)。

まとめ

今にしてみれば、凄い思い上がりですが、結果として己の勘違いを知ることができたのも良かったかなと思ったりします(看板に頼らず、学んだことで勝負できたのは小さな自慢でもあります)。

『バイオはダメだから他に行け』という論調ではなく、専攻を替えると目先が変わっていいぜ、と薦めたいですね僕なら。
※ただし研究者になりたい人は専攻を簡単に変えないほうがいいでしょう。