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8割くらい競馬ブログ

今週のボクシング(ワルーエフ vs ヘイ)

WBA世界ヘビー級タイトルマッチ

200ポンド(90.7kg)以上のウエートであるヘビー級は最も重く強い階級であるが、中でも王者ニコライ・ワルーエフは規格外にデカイ選手だ。なにしろ身長213cm、体重150kgというのだからこれは破格のサイズといえる。さしずめ動く要塞といったところか。
K1などと比べて、これほどまでに大きな選手がボクシング界に少ない理由は、単純に12ラウンド動けないからであろう。その点ワルーエフはスピードこそ無いものの、この体格と12ラウンド闘うスタミナを両立させた「動ける」選手であり稀有な存在といえる。
この大巨人に対して、挑戦者のヘイは1階級下のクルーザー級から転向してきた選手であり当然ヘビー級としても小型であるため、体重差はなんと45kg(!)にもなった。

小よく大を制す

相対するとあまりのサイズの違いに、思わず笑いがでてくるほどのミスマッチである。序盤はワルーエフが体格にモノを言わせてプレッシャーをかけ、ヘイがサークリングする展開に。挑戦者ヘイは逆にスピードにモノを言わせてかく乱し、2Rにはクリーンヒットを食らわせる。ただし、巨人はびくともせず。

中盤はワルーエフが手数を集めてポイントを取っていくが、ヘイも一方的にはやられず、まとめてパンチを返す。ただ、ワルーエフは強引にいく選手ではなく、ヘイもこの体格差で打ち合うわけにもいかないため、意外にも静かな試合展開になり両者ダメージは少なそう。しかし同じような状態が続く冗長な試合になってしまった・・。

会場が大きく沸いたのは12Rで、ヘイの左にワルーエフがぐらつく。かなり効いている様子ではあったが、ポイントを取っているとみたヘイは強引に仕掛けず。
結果は2-0でデビット・ヘイがWBAの新王者に輝いた。ワルーエフは終始空回り気味であった。

デビット・ヘイはクリチコ兄弟に勝てるか?

これでヘビー級はクリチコ兄弟とヘイがベルトを保持することとなった。となると統一戦という話も出てくるのではないだろうか。もちろんクリチコ兄弟 vs デビット・ヘイという構図であるが、はたして勝てるのか?

クリチコ兄弟もワルーエフほどではないが2mの巨体を誇る選手であるが、スピードでは勝る。またガードはより低いが、それだけにジャブは出やすいし威力はある。ふところの深さ(間合いの長さ)で言えばクリチコ > ワルーエフではないだろうか。

さて、クリチコ兄弟とひとくちにいっても、兄ビタリが弟ウラディミールよりも強いという見方が一般的だ。ウラディミールは強いことは強いのだが、安全運転を好むため打ち合いに弱そうなイメージがある。デビット・ヘイは今日の試合を観たかぎりでは、一瞬の速さはありそうなので打ち合えば勝てるかも。ただ兄ビタリには勝てそうもない(とはいえこれはイメージの問題、実際はワカランよ)。