今週のボクシング(ファンマ・ロペス vs ムタガ)
WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ
王者のロペスは26戦全勝(24KO)という凄まじい戦績の持ち主で、この階級としては異様にKO率が高い。挑戦者ムタガは平凡な戦績だがタイガーの渾名を持つタフガイ、らしい。はたして王者の連続KO記録は伸びるのか?
挑戦者ムタガは1Rから攻めに出るも、王者にいなされる格好に。しかしながらムタガの強引な前進は止まらず、王者がつきあわされる形で打ち合いになってきた。ムタガは打たれるのは承知でとにかく打つという捨て身の戦法。これは好試合かもしれん、と思う。
クリーンヒットは明らかに王者が多いのだが、しかしムタガは止まらない。ごちゃごちゃの打ち合いからムタガも数発良いパンチを当ててみせる。ただポイントは王者が取っており、5Rにはダウンを奪う。
ムタガは、はっきり言って雑なのだがこれだけタフだとロペスといえど楽はできない。それどころか、ムタガにつられてディフェンスがおろそかになってしまう。11〜12Rになると完全にムタガが逆転し、ロペスはダウン寸前まで追い込まれる場面もあったが何とか耐えて見せた。
判定
結局、序盤の貯金が効いて王者ロペスの防衛。しかしKO勝利どころか薄氷を踏むような苦い防衛になってしまった。
もとより点の取り合いであるボクシングをすればファンマ・ロペスに勝てない、とみた挑戦者ムタガの愚直な闘いには見るべきものがあった。15Rまであったらムタガだったかもね。まさに負けて強し。
(結果)
ファン・マヌエル・ロペス○-●ロジャース・ムタガ 12R判定